「心の発見」(科学編)高橋信次

ポイント

各ポイント詳述…ご著書より

調和への道

 

現代社会のゆがみは、人生の目的と使命を忘れ去った生活環境にあります。

 

多くの人々は心を失って本能のおもむくままに社会悪を造り、マスコミはその動物的本能をあおって正しい報道を忘れ、経済的奴隷に成り下がっている人々がたくさんいます。

 

心を失った物質経済的な資本主義、社会主義によっては、調和ある社会は生まれてはきません。

 

神理を悟り、人間はみな兄弟であり、同時代に生まれた同級生であることを知り、自らの環境は自分自身が選んだものと思い返し、相互が縁につながる魂の修行者で人生という修行場にいることを自覚しなければなりません。

 

労働する人は、働く環境に対し、指導者は、その勤労に対して感謝する心で最善の努力をすることです。

人生

 

人間はなぜ生まれ、年老い、病気をし、死ぬのでしょうか。

悲しみと苦しみの多い人生。

 

  • 親しいものとの離別、
  • 嫌いなものと生活する悲しみ、
  • 経済的な苦しみ、
  • 恨み、妬み、そねみ、怒り、の心、
  • 独占欲、表向きは華やかでも心の寂しい者、
  • 結ばれぬ恋、売名行為のみなしさ、
  • 有名人をかさに着た増上慢、
  • 肉体的欠陥で心病む者、
  • 神理を悟らず衆生の心を狂わせる指導者、
  • 宗教を私利私欲のものとする偽善者、
  • 色情に対する欲望、
  • 地位名誉欲、
  • 人種差別に泣く人々、
  • 同族の権力争い、
  • 派閥争い…

 

きりがない不調和な人生。

こうした悲しみ、苦しみの原因は、すべて中道の心を失ったための行為によって生じた結果なのです。

多くの人は欲望の渦の中に自分自身を埋没して、この苦しみから抜け出すことができません。

 

ある者は人生に失望し、人間としての使命を果たさないまま自らの手で肉体を捨て去る。

人生は決して不可解なものではない。ただ、難解なのです。

難解な人生をもっとわかりやすく、人生のあり方、その目的と使命を説いた光の天使がいます。

 

それは、インドの釈迦仏尼仏やイスラエルのイエス・キリストです。

しかしその神理も長い年月の中、多くの僧侶や学者たちによって智と意の産物となり仏教・キリスト教哲学となってしまいました。

仏教もキリスト教も智の学問化と商売化になってしまったので、その中から神理を見出すことが困難になりました。

理屈はわかっているけれど、人間の真実の心のあり方と実行のしかたがはっきりしなくなったのです。

 

経文は、生きている人間生活のあり方を説いているものです。

すべての善か悪かの判断は、神理に合っているかいないかで決まります。

己自身の正しい心に忠実に人生への想念と行為をしているか。

 

自己中心ではなく他人のことも考えて中道な判断をして生きているか、そうでないかで決まります。

原因と結果、作用と反作用の法則は、大自然の神理であって、私たちの肉体も意識もこの法則に従うのです。

自己保存と偽善者

 

自分自身の欲望を満足させるので、他人のことなど考えない人は、自己保存です。

 

このような人は、自分自身の都合の良いところのみを主張し、その地位、名誉、物欲のためには他人を犠牲にしてかえりみないのです。

 

  • 自分の名前や家柄に傷がつくなどと、常に考えている。
  • 人から誉められることに満足して、忠告に対しては感情的になり、報復を考えます。
  • 経済力で人々から尊敬されようとし、過信し、その行為に調和がない。
  • 常に自己中心のものを考え目先のことにとらわれて物質経済がすべてだと、固執する。
  • 他人を信じることなく、己は信じさせようと金品を使う。
  • 他人に裏切られると恨みを持つが、自分は他人を詮索し、裏切りを平然と行う。

このような人々は、一時は栄えたかに見えても、慈悲と愛がないため必ず没落してゆく。

私たちがこの世を去るときは、経済も地位も名誉も持っていくことはできないのです。

 

正しい心で、正しい行為にもとづいた生活をしている人々に対しては、神仏の光によって覆われているため、悪霊が災いを引き起こすことはできないのです。

作用・反作用の法則

 

私たちの人生の苦楽は、原因と結果によってつくり出されています。

 

作用が与えられたから反作用が起こるのです。

 

貧乏な家庭に育った子が、一生懸命に勉強してやがて社会人になる。あらゆる苦しみの生活に耐え、心を正しく生きた。目上の指示を守り、技術を身につけ、優秀な技術者になり、新製品を発明し、やがて独立して会社を作り、経済的にも成功し立派な家庭を築いた。

 

こうした例も自分自身の心と行いを、この人なりに正しく実践した努力、という原因があったからでそれに比例した成果が生まれたものである。

 色即是空の原理

 

色即是空はあの世とこの世との関係を説かれたものです。

 

お釈迦さんは、「縁生」と説明しています。

縁によって現象が起きる。

「袖すりあうも他生の縁」。この縁が慈悲であり、愛でもあり、すべての仕組みの原因なのです。

 

水について考えてみましょう。

水(H₂O)は気体(蒸気)になったり、液体(水)から固体(氷)というように3つの相にへんかします。これは熱作用という「縁」によって変化するのです。

 

目で見る事のできない「空」に離散している気体(蒸気)も温度が下がると、液体(水)や固体(氷)になります。また逆に温度が上がれば、「色」すなわち物質から「空」非物質にも変化します。

 

このように色即是空、空即是色は、自然の法則であり、神理なのです。

 

そかし、気体、液体、固体と3つの相に変化しても水の本性(H₂O)には変わりはありません。

H₂Oは「不生、不滅、不増、不減」なのです。

 

私たちの肉体も両親という「縁」によって人生の乗り舟を与えられています。

この世は現象界(三次元)で、あの世は意識の世界で四次元以降の世界で実在界といいます。

魂の兄弟たち

 

私たちの意識(魂)は、肉体という人生航路の舟に乗って、地球という環境で修行をしています。

 

そして、肉体的な両親、兄弟姉妹は縁によってこの現象界で生活をしています。

 

私たちの意識(魂)には兄弟がいます。

この魂の兄弟たちは私たちの心と絶えず、完全に結ばれています。

私たちが正しい生活をして心の眼が開かれたときには彼らと交信をすることができるようになります。

 

しかし多くの人々は、肉体舟に乗ってしますと、その意識は90%も潜在して、10%でしか活動できないため自分で苦しみを作っています。

 

魂の兄弟たちがいる実在界(あの世)は、善と悪がはっきりと区別されています。

しかしこの現象界は、善悪が同居している点、非常に困難な修行場であって、人々は不調和な生活に陥りやすいのです。

病気は己に対する警告

 

病気には、「肉体」の病と「心」の病があります。

「心の病」は、自己保存や自我我欲がほとんどの原因で、肉体ま破壊してしまうことがあります。

 

心と肉体が正法にそった調和した生活をしていれば、病気にはなりません。

 

しかし無理な体力の消耗のしかたをすればどこかにゆがみができます。

このゆがみが肉体的な病気の原因になります。

 

心の病気が重くなるとノイローゼになります。

これは感情の領域がむらで、本当の自分の心の状態ではないのです。

 

原因は人間としての愛や慈悲の欠乏です。

このような人々は、心がせまく、孤独で、常に不安定で、安らぎがなく情緒に乏しいのです。

それは灰色の人生、淋しい人たちです。

5人の分身

 

私たちの魂の兄弟は、本体を中心として5人の分身からの6人のグループです。

たとえば…

イエス・キリストの生命

本体…イエス・キリスト (紀元前32年 イスラエル)

分身

① クラリオ(紀元前4,000年頃 エジプト)

② マクガリス(200年頃 イスラエル)

③ ファイ・シン・ファイ・シンフォ(400年頃 中国)

④ バイロン(1,500年頃 イギリス)

⑤ マグネチオ(紀元前2,000年頃 エジプト)

5人の分身の成り立ち

① 本体(男性)、分身(5名男性)

② 本体(女性)、分身(5名女性)

③ 本体(女性)、分身(2名女性、3名男性)

④ 本体(男性)、分身(2名男性、3名女性)

 

この4つの種類のグループがあります。

守護霊・指導霊

 

私たちは、この地球に生まれてくる前までには、あの世ですっかり神理を会得して社会生活をしてきた生命なのです。

 

前世で人間生活をした状態であの世に帰り、しばらくはその世の想念の状態、業の修正をして、魂の浄化をしてきた生命なのです。

 

しかし肉体という舟に乗ってしまうと、人間は自分を失い、肉体の五官に振り回されるようになります。

この厳しい修行を助けるために守護霊や指導霊があの世からいっしょうけんめい信号を送ったり、助けたりしています。

 

しかし心を暗い方向に向けている人はその「光」がさえぎられ信号をキャッチすることができません。

心を明るくして正しい生活をすることで守護霊・指導霊の導きを察知することができます。

お釈迦さんの教え、イエスの教え

 

一切苦とは、生老病死の問題です。

 

  • 何の目的で生まれてきたか
  • 何のために病気になるか
  • 何のために老化するか
  • 何で死ぬか

 

こう考える中から人間の苦悩が生まれてきます。

 

私たちはこうした苦悩の原因を追究することから人間のなすべき道は、調和のとれた安らぎを得るには、どのような思念と行為によれば良いのか、ということを解明しなければならないのです。

あの世とこの世

 

この世は三次元の現象界(人間としての修行の場です)

あの世は四次元以降の世界で、明るい「天国」と暗い「地獄」そして薄暗い「仙界」「天狗界」があります。

 

明るい「天国」には…上から5段階

 

1. 如来界(上段階光の大指導霊の世界)

慈悲と愛のかたまり。いつでも身を捨てられる人。肉体的な諸現象に惑わされず、正法を悟り、宇宙即我を悟り、神理を説き、行為が調和されている霊の世界です。

 

2. 菩薩界(上段階光の指導霊の世界)

正法を悟って人々を救った人々。

自己の使命を悟ってこだわりのない人々。

慈悲と愛を解き実践している霊の世界です。

 

3. 神界(光の天使の世界)

学者や科学者で悪人でない人々の霊の世界です。

 

4. 霊界

神仏を信じている人。

人間として自分に足ることを悟った人々の霊の世界です。

 

5. 幽界

神仏を信じ心の中で不調和な考えはなく、

悟りまちがいもなく反省した人の霊の世界です。

 

暗い「地獄」には…4種類

 

1. 修羅界

闘争心、怒る心、そしる心、ねたみの心

の人の霊が反省する世界

 

2. 餓鬼界

足ることを知らない強欲な心、自我我欲心、自己保存

の心の人の霊が反省する世界

 

3. 動物界

情欲(異性の肉体に対する欲望)の心、

他人より自分だけの欲望の心の人の霊が反省する世界

 

4. 煉獄地獄

他人の心をふみにじりうらまれている人の心、

自己保存をしたり反省のない心、

神仏の本性を捨てた人々の心の人の霊が反省する世界

 

灰色の「仙界」「天狗界」

 

1. 仙界

肉体業により自分自身を悟っているが慈悲がない心の人の霊が反省する世界

 

2. 天狗界

肉体業により自分自身を悟っても自己保存の強い心の人の霊が反省する世界